「患者さんのお口の中が、どうして今のような状態になってしまったのかを、過去に遡って原因を究明除去しない限り、治療と悪化を繰り返すことになる。また原因を解明することで、将来の予測が立てられるようになり、10年、20年後を見据えた精度の高い治療が可能になる」。
この考えが、当院の、そして私の治療方針の全てです。
現在行われている多くの治療は、「原因」をしっかり究明せず、その場限りのマイナス要因を取り除く治療が多く見受けられます。
これも1つの治療ではありますが、短期的には良くても、10年後、20年後先にはまた問題が再発する可能性が高まります。
私はそのような治療はしたくありません。
しっかり原因を探求し適切な処置をすることで、のちに起こるであろう問題を回避できるのですから、それをしないことは患者様への冒涜だと思うからです。
偉そうなことを言ってしまいましたが、これは一朝一夕で生み出されたスタイルではありません。色々と悩み考えた末にたどり着いたスタイルです。
昔は、私も「その場だけの問題を解決する治療」を行っていました。
しかし、ある患者様の治療で歯を削っているとき、なぜか罪悪感のようものを感じたのがすべてのきっかけでした。
私たちは「歯を守る職業」なのに、「歯を日々削ることで、歯を失わせる手伝いをしてしまっている」……と。それからは、常に「申し訳ない……」という思いで日々診療していたのを今でも思い出します。
そのような状態から抜け出せたのは、些細なことがきっかけでした。
「因果」という言葉があります。皆さんご存知のように「原因」があってそれに応じた「結果」が生じるという事。つまり、お口の問題が生じたのには何かしらの「原因」があるということです。当り前のことですが、この「気づき」は私にとって非常に新鮮なものでした。
今までの歯科医療は「結果」に対してのアプローチのみでした。「原因」があることは誰しもわかっていたのですが、それを追求する風潮はなかったのです。
私はすべての治療において、この「原因」を研究しましたところ、今まで行っていた治療は本当に対処療法にすぎず、なんら問題を解決していないことが浮き彫りになりました。また、原因を研究することで、その原因を取り除かなければ、将来的に「このようになってしまう」という予測も正確につけられるようになったのです。
私は患者様の「過去・現在・未来を診て治療をする」と言っていますが、10年後、20年後も健康なお口で生活するためにはこの考え方からは決して逸脱してはいけないと考えています。
「温かい雰囲気の中で、質の高い医療の提供を目指す」。
そういう歯科医院であり続けたいと常々思っています。
大切なのは、患者様もスタッフも、常に笑顔が絶えない診察室。
誰でも沈んだ表情の人ばかりがいる場所には行きたくないですよね。
「終わりは始まりの第一歩」。
歯科治療とはそういうものと、ぜひご理解いただきたいです。
治療を終えても、「なぜ治療しなければならなくなったのか」を理解しないと、また治療を受けざるを得ない状態に戻ってしまいます。健康になったお口を、ご自身の努力で長く維持する。
治療の完了は、その第一歩であることを知っていただきたいのです。
メンテナンス目的の定期健診はもちろんのこと、ご自宅でのケアはとても大事です。ブラッシング指導を始め、できる限りのお手伝いをいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください!
当院では、患者様が抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんな事でも構いませんので、私達にお話しして頂けたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。